第28条の続きです。
5 市町村は、前項において準用する前条第二項の調査を第四十六条第一項に規定する指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設その他の厚生労働省令で定める事業者若しくは施設(以下この条において「指定居宅介護支援事業者等」という。)又は介護支援専門員であって厚生労働省令で定めるものに委託することができる。
今回は、更新認定に係る訪問調査の委託についての話です。
初回認定においては、訪問調査を市町村自ら又は指定市町村事務受託法人で実施することとなっていますが、更新認定においてはこれを指定居宅介護支援事業者・地域密着型介護老人福祉施設・介護保険施設などに委託することができると述べています。ここで、介護保険法施行規則を見ておきます(第40条)。
4 法第二十八条第五項の厚生労働省令で定める事業者又は施設は、次のとおりとする。
一 指定居宅介護支援事業者
二 地域密着型介護老人福祉施設
三 介護保険施設
四 地域包括支援センター
で、委託することができる介護支援専門員には、次のような要件があります(同じく第40条)。
5 法第二十八条第五項の厚生労働省令で定める事業者若しくは施設又は介護支援専門員は、指定居宅介護支援事業者等若しくは地域包括支援センター又は介護支援専門員であって、次に掲げる要件を満たすものとする。
一 指定居宅介護支援等基準第二十五条に違反したことがないこと。
二 指定介護老人福祉施設基準第三十二条(指定介護老人福祉施設基準第四十九条及び第六十一条において準用する場合を含む。)に違反したことがないこと。
三 介護老人保健施設基準第三十三条(介護老人保健施設基準第五十条及び第六十二条において準用する場合を含む。)に違反したことがないこと。
四 指定介護療養型医療施設基準第三十一条(指定介護療養型医療施設基準第五十条及び第六十二条において準用する場合を含む。)に違反したことがないこと。
五 指定地域密着型サービス基準第百五十四条(指定地域密着型サービス基準第百六十九条及び第百八十一条において準用する場合を含む。)に違反したことがないこと。
六 法第六十九条の三十四に違反したことがないこと。
ここで、各事業・施設等に関する基準が挙げられていますので、その部分だけ引用します。
(指定居宅介護支援等の事業の人員および運営に関する基準)
(居宅サービス事業者等からの利益収受の禁止等)
第二十五条 指定居宅介護支援事業者及び指定居宅介護支援事業所の管理者は、居宅サービス計画の作成又は変更に関し、当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員に対して特定の居宅サービス事業者等によるサービスを位置付けるべき旨の指示等を行ってはならない。
2 指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成又は変更に関し、利用者に対して特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用すべき旨の指示等を行ってはならない。
3 指定居宅介護支援事業者及びその従業者は、居宅サービス計画の作成又は変更に関し、利用者に対して特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用させることの対償として、当該居宅サービス事業者等から金品その他の財産上の利益を収受してはならない。
(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び人員に関する基準)
(居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止)
第三十二条 指定介護老人福祉施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該指定介護老人福祉施設を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。
2 指定介護老人福祉施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該指定介護老人福祉施設からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。
(介護老人保健施設の人員、設備及び運営に関する基準)
(居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止)
第三十三条 介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該施設を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。
2 介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該施設からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。
(指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準)
(居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止)
第三十一条 指定介護療養型医療施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該施設を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。
2 指定介護療養型医療施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該施設からの退院患者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。
(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準)
(居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止)
第百五十四条 指定地域密着型介護老人福祉施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該指定地域密着型介護老人福祉施設を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。
2 指定地域密着型介護老人福祉施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該指定地域密着型介護老人福祉施設からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。
(介護保険法第69条の34)
(介護支援専門員の義務)
第六十九条の三十四 介護支援専門員は、その担当する要介護者等の人格を尊重し、常に当該要介護者等の立場に立って、当該要介護者等に提供される居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス又は地域密着型介護予防サービスが特定の種類又は特定の事業者若しくは施設に不当に偏ることのないよう、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
2 介護支援専門員は、厚生労働省令で定める基準に従って、介護支援専門員の業務を行わなければならない。
つまり、金品収受や特定の事業所のサービスのみでケアプランを立てるのではなく、中立・公正明大に居宅(施設)サービス計画を作成し、サービス利用の調整を図っているということが必要であるということです。
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