第30条は、第29条に引き続き「要介護状態区分の変更」についてです。
第三十条 市町村は、要介護認定を受けた被保険者について、その介護の必要の程度が低下したことにより当該要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当するに至ったと認めるときは、要介護状態区分の変更の認定をすることができる。この場合において、市町村は、厚生労働省令で定めるところにより、当該変更の認定に係る被保険者に対しその被保険者証の提出を求め、これに当該変更の認定に係る要介護状態区分及び次項において準用する第二十七条第五項後段の規定による認定審査会の意見(同項第二号に掲げる事項に係るものに限る。)を記載し、これを返付するものとする。2 第二十七条第二項から第六項まで及び第七項前段並びに第二十八条第五項から第八項までの規定は、前項の要介護状態区分の変更の認定について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
ここでも政令委任による条文の読み替えがあるようですので、それも併せて引用しておきます(介護保険法施行令)。
第十二条 法第三十条第二項の規定による技術的読替えは、次の表のとおりとする。
法の規定中読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第二十七条第二項 前項の申請があった 第三十条第一項の要介護状態区分の変更の認定のために必要があると認める 当該申請 当該認定 第二十七条第三項 第一項の申請があった 第三十条第一項の要介護状態区分の変更の認定のために必要があると認める 当該申請 当該認定 第二十七条第四項 第二項 第三十条第二項において準用する第二項 前項 第三十条第二項において準用する前項 第一項の申請 第三十条第一項の要介護状態区分の変更の認定 要介護状態に該当 現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当 第二十七条第五項 前項 第三十条第二項において準用する前項 第二十七条第六項 前項 第三十条第二項において準用する前項 第三項 第三十条第二項において準用する第三項 第二十七条第七項前段 第五項 第三十条第二項において準用する第五項 第二十八条第五項 前項において準用する前条第二項の 要介護状態区分の変更の認定に係る 第二十八条第六項 前項 第三十条第二項において準用する前項 第二十八条第七項 第五項 第三十条第二項において準用する第五項 次項 第三十条第二項において準用する次項 前項 第三十条第二項において準用する前項 第二十八条第八項 第五項 第三十条第二項において準用する第五項あ、省令委任もありますね…。これも引用しておきます(介護保険法施行規則)。
(市町村の職権により要介護状態区分の変更の認定を行う場合の手続)第四十四条 市町村は、法第三十条第一項の規定により要介護状態区分の変更の認定を行おうとするときは、次の事項を書面により被保険者に通知し、被保険者証の提出を求めるものとする。一 法第三十条第一項の規定により要介護状態区分の変更の認定を行う旨二 被保険者証を提出する必要がある旨三 被保険者証の提出先及び提出期限2 前項の被保険者の被保険者証が既に市町村に提出されているときは、市町村は、同項の規定にかかわらず、同項の通知に同項第二号及び第三号に掲げる事項を記載することを要しない。3 第四十条第四項及び第五項の規定は、法第三十条第二項において準用する法第二十八条第五項の調査の委託について準用する。(法第三十条第二項において準用する法第二十七条第二項の厚生労働省令で定める事項)第四十五条 法第三十条第二項において準用する法第二十七条第二項の厚生労働省令で定める事項は、法第三十条第一項の規定による要介護状態区分の変更の認定に係る被保険者の病状及び当該者が現に受けている医療の状況とする。(法第三十条第二項において準用する法第二十七条第四項の厚生労働省令で定める事項)第四十六条 法第三十条第二項において準用する法第二十七条第四項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。一 氏名、性別、生年月日及び住所二 現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分及び要介護認定有効期間の満了の日三 第二号被保険者である場合にあってはその旨
第29条では被保険者本人が要介護状態区分の変更を求める場合の申請についての規定でしたが、この第30条では保険者が当該被保険者の介護を要する程度が低下した、つまり「被保険者本人が現在受けている要介護状態区分より自立した日常生活を営むことができる」と認めた場合の区分変更手続きについて述べられています。
保険者の職権ということでもあり、被保険者が変更申請を出す場合と手続きが異なっています(当たり前といえばそれまでですが…)。主な流れについては施行規則の内容をお読みいただければお解かりできると思います。第29条の場合と横並びにして比較してみても良いかもしれません。
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