第14条から第17条は要介護(要支援)認定審査の要、介護認定審査会についての規定です。では、まずは第14条から。
第三章 介護認定審査会(介護認定審査会)第十四条 第三十八条第二項に規定する審査判定業務を行わせるため、市町村に介護認定審査会(以下「認定審査会」という。)を置く。
少し先の条文ですが、第38条第2項では審査判定業務について言及しておりまして、要するに要介護認定・要支援認定に係る審査とその結果としての判定をそのように言うんだと規定しています。いわゆる「二次判定」と言っているやつですね。
その審査判定業務について行う機関(でいいのでしょうか?)として、市町村に「介護認定審査会」を設置する、というのが第14条で言っていることです。
次、第15条。
(委員)第十五条 認定審査会の委員の定数は、政令で定める基準に従い条例で定める数とする。2 委員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、市町村長(特別区にあっては、区長。以下同じ。)が任命する。
第15条では、認定審査会で審査判定を行う委員についての規定です。
ここで政令への委任事項があるようですので、介護保険法施行令を見ておくことにします。
第二章 介護認定審査会(介護認定審査会の委員の定数の基準)第五条 法第十五条第一項に規定する認定審査会(以下「認定審査会」という。)の委員の定数に係る同項に規定する政令で定める基準は、認定審査会の要介護認定(要介護更新認定、要介護状態区分の変更の認定及び要介護認定の取消しを含む。第四十六条において同じ。)又は要支援認定(要支援更新認定、要支援状態区分の変更の認定及び要支援認定の取消しを含む。同条において同じ。)に係る審査及び判定の件数その他の事情を勘案して、各市町村が必要と認める数の第九条第一項に規定する合議体を認定審査会に設置することができる数であることとする。
ついでなので、ここに出てきた「合議体」の定義なども。
(合議体)第九条 認定審査会は、委員のうちから会長が指名する者をもって構成する合議体(以下この条において「合議体」という。)で、審査及び判定の案件を取り扱う。2 合議体に長を一人置き、当該合議体を構成する委員の互選によってこれを定める。3 合議体を構成する委員の定数は、五人を標準として市町村が定める数とする。4 合議体は、これを構成する委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。5 合議体の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、長の決するところによる。6 認定審査会において別段の定めをした場合のほかは、合議体の議決をもって認定審査会の議決とする。
つまり、認定審査会の委員の定数は、実際に認定審査業務を行う合議体(1合議体あたり5人を標準として、市区町村で定めた人数で構成され、構成メンバーは委員のうちから審査会会長が指名して決める)を各保険者(市区町村)の実情に応じた数を配置することで得られる人数であるということです(これを条例で定める必要があるのですが)。あと、合議体に関する事項は、施行令の引用の部分をお読みいただけたらお解かりいただけるかと思います。
ここで「政令」が出てきて、「省令」と混同しそうだ…、と仰られる向きもあるかも知れません。
法律が公布されて、じっさいにその法律の内容を動かそうするとき、法律だけで動くことはまずほとんどないと言っても過言ではありません。その法律の内容を動かすための具体的な方法や手続きなどについて整えていく必要があります。
本当は法律にすべて載せてしまえばよいことなのですが、そんなことをしたら法律の条文が限りなく増えて、読みづらくて読みづらくて大変なことになってしまいます。そこで、政府やその法律を管轄する省が具体的な運用方法について定め、これを「政令」(政府が作成したもの)・「省令」(省で作成されたもの)という形で公に示すのです。
なので、法律を読むときは、併せて「施行令」という名称で出ている政令や、「施行規則」という名称の省令を一緒に読むと理解が深まる、と言うわけなのです。
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